1960年、世界を震撼させたナチス戦犯アドルフ・アイヒマン拘束。この歴史的捕獲作戦を実現へと導いた陰のヒーロー、フリッツ・バウアー検事長。彼はいかにして消息不明のアイヒマンを発見し、追いつめていったのか―。封印されてきた<極秘作戦>が半世紀を経て初めて明らかにされる。メガホンをとったのはドイツの気鋭監督ラース・クラウメ。主人公フリッツ・バウアーには『ヒトラー暗殺、13分の誤算』『ブリッジ・オブ・スパイ』の名優ブルクハルト・クラウスナー。バウアーと共に闘う若き検事に『あの日のように抱きしめて』などで日本でも知られる存在となったロナルト・ツェアフェルト。そのほか、ドイツ内外で活躍する俳優たちが揃いました。権威あるドイツ映画賞で作品賞、監督賞ほか最多6冠に輝き、世界中の映画祭を席巻中。
1950年代後半のドイツ・フランクフルト。ヘッセン州の検事長フリッツ・バウアー(ブルクハルト・クラウスナー)は、苛立ちが募る日々を送っていた。彼はナチスによる戦争犯罪の告発に執念を燃やしているが、未だに大勢の元ナチス党員が政治やビジネスの中枢に残る現状では至難の業。あらゆる捜査は遅々として進まず、バウアーの執務室にはしばしば脅迫状が届き、彼の行動は部下の上席検事ウルリヒ・クライトラー(セバスティアン・ブロンベルク)らによって常に監視されていた。
そんなある日、バウアーのもとにアルゼンチン・ブエノスアイレス在住のユダヤ人亡命者ローター・ヘルマンからの手紙が届く。そこにはナチス政権下で数百万人のユダヤ人を強制収容所送りにした親衛隊中佐アドルフ・アイヒマンが、現地に潜伏しているとの驚くべき情報が記されていた。友人である州首相ゲオルク・アウグスト・ツィン(ゲッツ・シューベルト)に事の次第を打ち明けたバウアーは、ナチス残党が巣食う捜査機関が信用できないため、イスラエルの諜報機関モサドにアイヒマンの情報を提供すると伝えるが、ツィンは「それは国家反逆罪だ。刑務所送りになる」と警告する。
監督:ラース・クラウメ 出演:ブルクハルト・クラウスナー、ロナルト・ツェアフェルト、リリト・シュタンゲンベルク
配給:クロックワークス/アルバトロス・フィルム © 2015 zero one film / TERZ Film